5月から7月にかけて、花を咲かせるアイリス(アヤメ)の仲間には様々な種類があり、

世界中で親しまれています。

花菖蒲とか黄菖蒲と言った名前から、水中で育つものと思われている方も多いようです。
種類によっては、ジャーマンアイリスのように、乾いた畑ムキのものもあるのです。

ところで、水生植物は生息環境によって5つに分けられます。

1 湿生植物 川のほとりや水辺、湿地や湿原に生育する植物 ミソハギ・クリンソウ

2 抽水植物 根は水底に固定して、茎葉を水面に出す植物 ハス・ガマ・オモダカ・ショウブ

3 浮葉植物 水底に根を張って茎葉を伸ばし、葉を水面に浮かせて花を咲かせる植物 スイレン・アサザ

4 浮遊植物 根を土に下ろさず水中にふわふわ浮いている植物 ホテイアオイ・ヒシ

5 沈水植物 根も茎葉も水中にある植物 マツモ・カナダモ

アイリス(アヤメ)の花の簡単な見分け方

 

自 生 種

1.アヤメとカキツバタ

垂れ下がる花弁の付け根に網目模様があるものがアヤメ、白色のくさび模様があるものがカキツバタです。また、アヤメは草地にカキツバタは湿地に生えています。

2.アヤメとヒオウギアヤメ

中央の上に伸びる細長い花弁が真直ぐなものがアヤメ、外側へ反っているものがヒオウギアヤメです。また、ヒオウギアヤメは湿地に生えています。

3.ノハナショウブとカキツバタ

垂れ下がる花弁の付け根にくさび模様が黄色なのがノハナショウブ、白色なのがカキツバタです。ノハナショウブは草地にカキツバタは湿地に生えています。

 4.キショウブと他のアヤメ類

キショウブは花の色が黄色で、他のアヤメ類は紫色です。
なお、キショウブは明治時代に、ヨーロッパから渡来してきた外来種です。繁殖力が旺盛で、日本各地の湿地や水辺に自生し、在来種の生息環境を侵害するのではないかと言う懸念がその分布に関し、持たれています。

5.シャガとヒメシャガ

シャガは薄紫色の花で、ヒメシャガは濃い紫色の花です。また、ヒメシャガの方がシャガよりひとまわり小型です。

園 芸 種

国内での改良されたものがハナショウブ、 欧米での改良されたものがジャーマンアイリスです。

※ ハナショウブは、ノハナショウブを江戸時代頃から改良した園芸種で、国内に約1,000品種以上あるとされています

※ ジャーマンアイリスは、明るい日向と水はけのよい乾燥気味の土を好みます