2000年、全国都市緑化フェア「マロニエとちぎ緑化祭」が栃木県で開催されました。

その翌年、石川県で開催される「いしかわフェア」に、当時の福田富一市長が「宇都宮市の花壇を出展する」意向を持っていると担当課から聞かされました。
市長の希望は「宇都宮市をPRする意味を含め、餃子と地場産業の大谷石を取り入れた花壇」と言った内容でした。

「餃子と花壇・・・・?!これをどうデザインに反映させるの?」これが私に任された課題でした。

まず機能性を考え、全体像をイメージします。
緑化フェアはイベント的要素が強いので、私は、来園者が滞在でき、観賞に耐えるグレードを持つ必要があると思いました。

「大谷石で餃子モニュメントを造る」アイデアはすぐ出てきました。
しかし、それだけではインパクトに頼りすぎ、余りにも短絡的で、見た目だけの一過性に終わってしまう気がしていました。
「・・・やはり、レスト・スポットの要素を持たせなければ・・・」
そんな思いから、如何に「ガーデンとの触れ合い」を不自然なく、取り入れるかを考えていました。

あれこれ思案していると、フト、宇都宮市の文化に「カクテル」があることに気づきました。
ガーデン全体に調和した「カクテルバーのカウンターイメージ」をデザインに取り入れ、来園者が滞在できる機能を持たせられたらと考えました。

そこで、花壇を「魅惑のソウシャルガーデン」と名づけ、大人の感性に響く安らぎの場を意図して計画を図りました。

大谷石を扱った作品には㈱池田石材の社長に尽力して頂き、なんと36自治体が、特色を活かした花壇を出展した『自治体花壇コンテスト』の中で、見事、最優秀賞を受賞しました。

作品は、フェアが終わると取り壊されてしまうものですが、惜しむ想いが実り、現在、みずほの自然の森公園(旧名市総合運動公園=宇都宮市西刑部町1861=)に復元されて戻って来ています。

皆様ぜひ、機会を作ってご覧いただければ幸いです。

Notes
・魅惑のソウシャルガーデン
・平成13年9月5日完成