チッピ-1ボクは、白ハルクインセキセイインコの「チッピ」です。
全身は白いのですが、胸部から腹部にかけて地色のコバルトブルーの斑紋が入っています。

ボクの仲間は、オーストラリアにすむ野生のセキセイインコを飼育改良したもの。
野生種に近いナミセキセイインコや、ハルクインセキセイインコオパーリンセキセイインコなどの品種がイマ~ス。

ボクらの兄弟を日本では、昭和20年代頃から見られるようになりました。

野生のセキセイインコは乾燥地帯にすみ、不定期に降る雨を求めて大群で移動しています。えさはおもに植物の種子ナンですよ。
雨が降って草が生長すると繁殖を始めます。

さて、ボクは一度大空を旅しました。
コマちゃんがケージの掃除をしようとドアを開けた瞬間、思わず外に飛び出してしまいました。
いつものことでコマちゃんも、まさかボクが飛び出すとは思ってもいなかったようです。

実は、内からみている外の世界には若干興味はあったのですが・・・。

ボクは斜め上空に飛んで、屋根を越えていきました。
だけど、どこに行ったらいいか判らなくて、上空でグルグル旋回していました。

コマちゃんが2階のベランダに来て「チッピ・チッピ!」と叫んでいます。
しばらく呼んでいました。
けれどもボクが見当たらないとまた庭に下りて、そこからボクが飛んでいった方向を確認していました。
隣の家にも行って「インコを見たら知らせてください」と駆けずり回っています。

ところで、その時ボクは飛び疲れて、休む場所を探していました。
するとベランダの物干し竿には、ハンガーに掛かった洋服が沢山並んでいました。

家の中ではママが、洋服をハンガーに掛けてつるしています。
内ではよく、ハンガーの上に乗って遊んでいました。安心できる見慣れた風景です。
ボクはハンガーめがけて舞い降りました。これでヤット休めます。
ボクはユッタリとした気持ちでたたずんでいました。

しばらくしているとコマちゃんが、またベランダに上がってきました。
再度「チッピ・チッピ!」とボクの名を呼んでます。
この時は近くにいたのでコマちゃんの声が、よく聞こえました。
ボクは「ピピピピピッ!」と返事をしました。
コマちゃんはキョロキョロしています。

チッピ・チッピ!」「ピピピピピッ!」「チッピ・チッピ!」「ピピピピピッ!」
やっとコマちゃんと目が合いました。
・・・その時の顔といったら・・・!

ボクは洗濯されたTシャツの上に留まっていました。
真っ白なTシャツだったので、ボクが保護色になっていたのでしょうか?

でも気づくとコマちゃんは、ソ~と人差し指を差し出してきました。
ボクはその上にチョコンと乗りました。そのまま、コマちゃんと部屋の中に入りました。

チッピよく帰ってきたね!」とコマちゃんは言いました。
でもボクは「出て行く気なんかなかったよ」と思っていました・・・。

ボクはいつもしゃべっています。お気に入りの言葉は「チッピ天才・チッピ天才」です。

コマちゃんがピーナツを食べようとすると、ボクは必ず飛んでいって、先に食べてマ~ス。